活動報告

職業を知ろう!No.2『加賀象嵌作家』❷

2016/11/22

ーー金沢に戻って来られた後、どのようにして加賀象嵌の技術を学ばれたのですか?

 

坂井さん  父が現役の加賀象嵌作家なので、父から直接指導を受けて学びました。ただ、いろいろ質問できる反面、親子特有のやりにくさはありましたね。

 

ーー「やりにくさ」と言うと?

 

坂井さん  もちろん、仕事に関して分からない所などがあれば、いつでも父に聞けるので大変ありがたいです。その一方で、親子なので、何と言うか、やはり何かと思うことはいろいろありますよね(笑)それでも、現在はだいぶ慣れました。

 

ーーその辺りは、坂井さん御自身でないと分からない御苦労が、いろいろあったということなんですね。

 

坂井さん  そうですね。何に関しても同じかもしれませんが、良い面もあれば、そうではない面もあります。必ず両面があるのではないでしょうか。

 

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ーー加賀象嵌作家として、仕事を開始される前と開始された後で、「こんなはずじゃなかった」のようなギャップは、実際にありましたか?

 

坂井さん  ありましたね。幼少期から父がする仕事を見てきましたが、実際に仕事をしてみると、私が予想していたことと全然違っていました。特に最初の頃は、専門用語が多くて、わけが分からなかったですね。それと、一つの作品を作るために、想像以上の時間がかかるということを思い知りました。加賀象嵌は、電動工具などはいっさい使わず、全て手作業で作るので、作品によっては数ヶ月かかるものもあります。だから、思った以上に体力が必要なんです。

 

ーー坂井さんが予想された以上に、大変な世界だったんですね。

 

坂井さん  大変でした。今になって振り返ると、最初の1〜2年は本当にしんどかったですね。「あぁ、名古屋に帰りたい」と毎日思っていた時期もあったぐらいです。その頃は、金沢に帰ってきたことを後悔していました(笑)

 

続く。

 

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職業を知ろう!No.2『加賀象嵌作家』❶

2016/11/21

今回の「職業を知ろう!」は、加賀象嵌(かがぞうがん)作家です。今日から数回にわたり、加賀象嵌作家である坂井天心さんへのインタビューを掲載します。

 

『加賀象嵌(かがぞうがん)』をご存知でしょうか?『加賀象嵌』とは、石川県金沢市に伝わる伝統工芸技法の一つで、高度な技術が必要とされます。

 

象嵌(ぞうがん)とは、金属の表面を彫り、できた溝にほかの金属をはめこんで、いろいろな模様を作り出す技のことです。「象」の字には「かたどる」、「嵌」の字には「はめる」という意味があります。

 

日本の象嵌産地には、金沢の他に、高岡や京都、熊本などがあります。藩政時代、現在の金沢市笠市町と安江町の辺りは、多くの象嵌師が住んでいたことから、象眼町(ぞうがねまち)と名付けられていました。「ずがねまち」とも「ぞうがんまち」とも言われたそうです。

 

石川県には、坂井さんをはじめ、今も象嵌作家さんが活躍しております。花器やオブジェ、ペンダントやピアス、ブレスレットなどのアクセサリー、スプーンや箸置き、ネクタイピンなど、様々な加賀象嵌作品や商品があります。

 

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「ギャラリーセーブル」のホームページ

http://www.gallerysable.jp

 

 

 

ーー坂井さんが、この職業を目指したきっかけを教えて頂けますか?

 

坂井さん  実は、私の父も加賀象嵌作家なんです。そのため、物心ついた時から、父が仕事をする姿を間近で見て育ちました。朝から晩まで、父の作業部屋からコンコン、カンカンと音がするのを聞きながら、「いったい何をやっているんだろう?」と(笑)。とにかく、学生時代は「絶対に父と同じ職業には就きたくない」と思っていました。

 

ーーなぜ、当時そのように思われたのですか?

 

坂井さん  伝統工芸というものに、全く関心を持てなかったというか、本当に嫌でした。加賀象嵌という伝統工芸が何なのかを、知ろうとさえしませんでした。正直言うと、伝統工芸の香りがする金沢という街そのものが、当時は好きではありませんでした。だから、高校卒業と同時に逃げるように金沢を離れ、名古屋に行きました。それ以来、数年前まで名古屋に住んでいました。ちなみに、前職は伝統工芸とは全く関係のない仕事でした。

 

ーーそうだったんですね。その後、何がきっかけで金沢に戻ってこられたのですか?

 

坂井さん  金沢を長い間離れ、遠方で働くうちに、伝統工芸に対する自分の考え方に変化があったのかもしれません。いろいろ迷って考えた末に、金沢に戻って父の後継者になり、加賀象嵌の技術を受け継ぐことを決断しました。

 

続く。

 

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来週開催される「親の会」のご案内

2016/11/20

来週28日の月曜日に津幡町で、「ホットミルク」が開かれます。

 

平日の午前中に開かれる会なので、土日が忙しく、夜も仕事で都合がつかない方にとっては参加しやすいのではないでしょうか。

 

アットホームな雰囲気で話を聴いてもらえて、しかも参加費は無料なので、初めての方も参加しやすいと思います。

 

時期に合わせて、親子で参加できるイベントも行っていますので、関心のある方はぜひご参加ください。

 

11月28日(月)
津幡町不登校の親の会 ホットミルク
場所:石川県河北郡津幡町加賀爪二3番地 津幡町役場となり福祉センター1階相談室
時間:午前10〜12時
会費:無料ですが、一人一つお菓子を持参
電話:076-288-6276
メール oyakosaron@po4.nsk.ne.jp

 

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また、30日の水曜日は加賀市で、「いまここ親の会」が開かれます。

 

いまここ親の会は、ひきこもりや不登校に関する取り組みを行っています。

 

現在、悩まれている親御さんだけでなく、過去にひきこもりを経験した若者も参加されますので、非常に参考になる話を聴くことができます。

 

また、代表の林さんを中心に、親身になって話を聴いて頂けますし、とても話をしやすい雰囲気ですので、初めて参加される方も安心です。

 

関心のある方は、ぜひご参加ください。

 

11月30日(水)
いまここ親の会
場所: 加賀市山中温泉西桂木町ヌ26加賀市消防署山中分署近く
時間: 午後7時30分〜
会費: 500円 (会員の方は100円)
電話: 070-5633-2667
E-mail: dekunobodo@yahoo.co.jp
代表: 林昌則
◎場所は変更になる場合があります。電話でご確認ください。

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同じく30日の水曜日に、津幡町で発達障害児の親の会クローバーが開かれます。

 

あたたかい雰囲気で、親身になって話を聴いて頂ける会です。初めて参加される方も、安心して話すことができます。

 

無料で参加できますので、津幡町以外の方もお気軽にご参加ください。

 

11月30日(水)
津幡町発達障害児の親の会 クローバー
場所:石川県河北郡津幡町加賀爪二3番地 津幡町役場となり福祉センター1階相談室
時間:午前10〜12時
会費:無料ですが、一人一つお菓子を持参
電話:076-288-6276
備考:当日参加OKです

 

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親の会ふたり

2016/11/19

不登校で苦しんでいるのは、子供だけではありません。安心できる誰かと話したいのは、親も子供も同じです。

 

しかし、「親の会」に参加して、いきなり複数の初対面の人たちの前で話すことに、抵抗を持たれている親御さんも多くいらっしゃいます。

 

「親の会ふたり」では、不登校の子供を持つ親御さんどうしが、みんなの家庭教師の仲立ちの下、一対一で会って話したり、情報交換をすることができます。

 

まず、一対一で誰かとつながることによって、親御さんも精神面に余裕が生まれ、他の親の会へ参加するきっかけにもなり得ます。

 

不登校の子供に置き換えて考えると、複数の生徒がいるフリースクールに通えない場合があります。それでも、一対一で気持ちに寄り添ってくれる家庭教師ならば、時間を過ごせる場合がよくあります。まず、第三者と一対一で過ごすことに慣れれば自信につながり、一歩踏み出す勇気も出てきます。

 

例えるなら、「親の会=フリースクール」、「親の会ふたり=家庭教師」というイメージです。子供と親御さんの両方が、ていねいに回復への段階を踏んでいくことが、確実に前進するために大切なのではないでしょうか。

 

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11〜12月の『職業を知ろう!』のご紹介

2016/11/18

世の中には、実に様々な職業があります。しかし、職業の名前は知っていても、その方が「どういう思いで仕事をしているのか?」「何がきっかけでその職業に就いたのか?」などに関しては、なかなか知る機会がありません。

 

不登校になると、子供はもちろん親御さんも、将来に関して不安になります。なぜなら、「学校に行けない」=「高校や大学に進学し、会社員になれる道、つまり生きていくための道が閉ざされてしまうのではないか?」と、漠然と考えてしまうからです。

 

ところが、世の中には多くの職業が存在し、会社員でない人々も多くいらっしゃいます。技術があれば、学歴をあまり重要としない職業もあります。本当にたくさんの生き方、「道」があるのです。

 

「職業を知ろう!」では、それぞれのプロフェッショナルを、インタビュー形式でご紹介します。今月から来月にかけて、三人のプロフェッショナルに登場して頂きます。職業は、「ナレーター」、「加賀象嵌(ぞうがん)作家」、「美容師」です。

 

まずは、この「職業を知ろう!」を通して、多くのプロフェッショナルの存在を知って頂きたいです。そして、世の中には多くの選択肢や生き方があることを理解して頂き、将来の就きたい仕事を考えるうえでのヒントになれば幸いです。

 

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100%自分の意思で決断すること❸

2016/11/17

親御さんが一生懸命に子供を思う親心は、いつの間にか無意識に子供に対する支配になりがちです。

 

子供の将来を考えることは、親御さんの子供に対する自然な愛情です。

 

ところが、それが強すぎてしまうと、子供の問題を「親の問題」として受けとめてしまいます。子供が考えるべき問題を親が考えてしまい、子供が考えて決断しているようで、実質的には親が決断していることと等しくなります。

 

もちろん、幼少期は子供だけで選択し決断するのは難しいので、ある程度は親の意思で導く必要があります。それでも、子供の成長とともに、少しずつ子供自身の意思で選択し決断する力を、丁寧につけさせる必要があります。

 

成功か失敗か、結果にこだわることも時には大切でしょう。しかし、「子供に失敗をさせたくない」という「転ばぬ先の杖」の親心が強すぎてしまうと、思わぬデメリットを生んでしまいます。

 

子供が100%自分の意思で決断できている時、自分らしい、ありのままの人生を歩んでいると言えます。親御さんは親御さんの人生を、子供は子供の人生を歩んでいる時、お互いに自立し、良好な親子関係でいられます。

 

そのような関係を築くことが、不登校やひきこもりを考えるうえで、非常に大切なことではないでしょうか。

 

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100%自分の意思で決断すること❷

2016/11/16

以下は、不登校を経験した、ある男性の体験談です。

 

「小学生の時、勉強したくなかったけど塾に通っていました。本音を言うと、当時もっと友達と遊ぶ時間が欲しかったです」

 

その後、高校に進学し、文系と理系のどちらを選択しなければならない時期がありました。

 

「非常に迷いましたが、理系コースを選びました。本当は理系より文系に関心がありました。でも、周囲の意見を取り入れ、将来の就職におけるアドバンテージを考えて理系を選択しました」

 

彼は歴史に関心があり、本当は文系の学部を受験したい願望があったのですが、周囲には第一志望は薬学部と伝えていました。

 

「今ふりかえると、『周囲からどう思われるか?』ということばかりを優先して、薬学部を希望したように思います。『自分がどうしたいか?』で選択していませんでした」

 

結局、彼は高校2年の夏休み明けから学校に行けなくなりました。

 

「成績が良くなかったこともありましたが、将来の就職のためだけに、自分のしたいことを隠して勉強することが辛くなってしまったんです」

 

一方で、彼の親御さんは、「昔からその都度、進路は息子の意思で決めてきたはずです。今まで、彼の意思を尊重し応援してきました」と言われました。

 

彼にとってはどうだったでしょうか?

 

「小学生の頃、どうしても友達と遊びたくて塾に行きたくなかった日があったんです。それを父に伝えたら、すごい剣幕で怒鳴られ、怖い思いをしたことがありました。その日以降、周囲の顔色を見て、二度と怒鳴られないように生きてきました」

 

このあたりに、彼と親御さんとのズレがあるようです。実のところ、今までの彼の決断は、真の彼の意思ではなく、小学生の頃の体験をもとに周囲の空気を読んだうえでの決断でした。

 

彼は高校を中退した後、高校認定試験に合格し、現在は考古学を研究できる大学を目指し受験勉強中です。

 

続く。

 

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100%自分の意思で決断すること❶

2016/11/15

11月中旬になり、受験生は進路について考える時間が一般的に多くなります。

 

先日、ある男子の生徒さんが「A高校に進学したい」と伝えてくれました。「どうしてA高校へ行きたいの?」と尋ねると、彼は「親や周りも喜んでくれるだろうし、学校のイメージもいいから」と答えました。

 

もちろん、その理由でA高校へ進学してもOKです。OKなのですが、その返答に「100%本人の意思で決めたという感触はあったか?」というと疑問でした。どこかで、親の顔色を気にして、周囲の空気を読むような決断だったのではないかと。

 

中学生以降になると、幾度となく進路に関しての選択を迫られます。「どの高校や大学を選べば良いか?」「文系と理系、どちらを選択すべきか?」「どの会社に就職すれば幸せか?」

 

「成功した」と笑うこともあれば、「失敗した」と落ち込むこともあるでしょう。それは、あくまで結果に対する感情です。長い人生、結果だけを追いかけて、ずっと成功し続けるとは限りません。失敗して落ち込むことの方が多い時期もあるはずです。

 

それでも、「100%自分の意思で決めた」という過程が、その決断に至るまでにあれば、仮に望むような結果ではなかったとしても、最終的に納得し受け入れやすくなります。そして、失敗を前向きに考え、成長につながります。

 

つまり、決断までの過程を大切にすることは、結果とは別の次元の充実感を与えてくれるのです。

 

続く。

 

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来週開催される「親の会」のご案内

2016/11/14

来週23日、祝日の水曜日に、「おーぷんはうす」の定例会が開かれます。

 

創立して、今年27年目を迎える「おーぷんはうす」は、あたたかく気さくな雰囲気の中、お茶やお菓子を囲みながら、ゆったりと話を聴いてもらえる親の会です。

 

同じ悩みを抱える方と出会い、多くの方の事例を聴くことによって、癒され気持ちにゆとりが生まれます。

 

ぜひ一度、お気軽に参加しませんか?

 

当日参加もOKです。駐車場など、詳細は電話にてご確認ください。

 

11月23日(水)
おーぷんはうす 定例会
場所:金沢市笠市町10-9 サンフレッシュ笠市101
時間:午後2〜5時頃
会費:500円
電話:090-5175-5432

 

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高校認定試験について

2016/11/13

今月5日と6日に、今年度第2回目の高校認定試験が実施されました。毎年、8月と11月に、合計2回実施されています。

 

高校認定試験とは、さまざまな事情で高校を卒業できなかった人の勉強の成果を適切に評価し、高校を卒業した人と同程度の学力があるかどうかを認定するための試験です。そして、この試験に合格することによって、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられることになります。

 

また、高校を卒業した人と同程度の学力があると認定されることにより、就職や資格試験等にも活用することができます。

 

高校認定試験は、できるだけ多くの人たちに「合格してもらうための試験」です。したがって、高校受験や大学受験とは意味合いが全く異なります。当然ながら、合格者数の上限もありません。

 

各教科の難易度は決して高くなく、中学から高校1年までの出題範囲となっています。合格ラインは各教科100点満点で約40点程度と言われています。

 

ある生徒さんは、一度に多くの教科を受験せず、8月と11月の二回に教科を分けて、無理のないように受験されました。一方で、一度に全部の教科を受験される方もいらっしゃいます。このように、受験の仕方はそれぞれのペースによって違います。無理をしすぎず、自分のペースで受験することが大切です。

 

今回の結果通知は、12月2日に発送される予定です。合格者は、来年以降の進学や就職に向けて、大きな前進になります。不合格になってしまった方は、来年は必ず合格できるよう再チャレンジしてください。みんなの家庭教師でもサポートしております。

 

次回の高校認定試験は、来年の8月です!

 

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