活動報告

不登校だった生徒の「その後」❸

2015/06/08

不登校を経験した生徒の多くが、卒業後も人間関係に不安を抱えているということが、文部科学省の調査で明らかになっています。

 

また、調査で「中学校3年生の時にあれば良かったのに」と思ったことを振り返ってもらったところ、「こころの悩みについての相談」と並んで、「自分の気持ちをはっきり表現したり、人と上手につき合ったりするための方法についての指導」という答えが3人に1人の割合にのぼったそうです。

 
もともと人づき合いが苦手だったことに加え、長期間学校を休んでしまい、人とつき合う機会が少なくなってしまったことにより、苦手な人づき合いを克服する機会をもてなかったことを反映しています。

 

不登校になった後、職に就くことができずにいる若者の支援をしている人たちに聞くと、こうした若者の多くは人と目を合わせたり、挨拶をしたりすることに慣れていないようだと言います。

 

また、心の中では人と交わりたいという潜在的な思いはあるものの、なかなか一歩を踏み出せずにもがいているようだとも言います。

 

対策としては、趣味を通したサークル活動に参加したり、短期のアルバイトに挑戦したり、地域の行事やボランティア活動に参加したりすることが有効だと考えられます。

 

そこで出会った人たちから、「ありがとう」と声をかけられることで、自己肯定感が少しずつ高まることも期待できます。

 

大切なことは、一歩前に踏み出そうとする本人の勇気と、長い目で見守りながら、そっと背中を押してあげられる家族や地域の大人の存在なのではないでしょうか。

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