活動報告

職業を知ろう!No.4『ナレーター』❹

2017/03/16

ーー先ほど、「声について指導する仕事」と言われましたが、それについて教えて頂けますか?

 

林さん  僕には、十年ちょっと前から定期的に教えを乞うている師匠がいます。その方に会うために、今でも月に一、二度ほど東京へ出向いているんです。その方から指導を受けて二年ほど経過した時に、「人に教えなさい。声について東京で学んだことを、金沢で広めなさい。還元しなさい」と言われました。

 

ーー「東京でインプットしたことを、金沢でアウトプットしなさい」と師匠から言われたんですね。

 

林さん  そうです。でも、僕は人に接することが嫌いでしたから、最初は断りました。もともとは、自分の声が改善さえすれば良いと思っていましたから。「深みのある声」や「存在感のある声」が手に入れば、それで良いと思っていました。

 

ーーそれでも金沢で教え広めていくことを選択されたのは、なぜですか?

 

林さん  師匠から「言われた通りにやらないと破門だよ」と言われたからです。さすがに、破門にはなりたくなかったですから(笑)

 

ーー実際に人に教えてみて、御自身の中で何か変化はありましたか?

 

林さん  声に関する理解が、いっそう深まりました。人に教えることで、「理解したつもりになっていた自分」に気付くことができました。人に教えることによって、アウトプットする大切さを僕自身が学びましたね。

 

ーーアウトプットが大切だったんですね。ところで、林さんの教室では、どのようなことを学べるのですか?

 

林さん  うちは話し方を指導する教室ではないので、「話し方」については教えておりません。学んで頂くことは、「声そのものを改善すること」です。

 

ーー「声そのものを改善すること」を求めて、どのような方が学びに来られるのですか?

 

林さん  例えば、過去に判事さんが学びに来られたことがありました。

 

ーー判事さんというのは、裁判所の判事さんですか?

 

林さん  はい。判事さんとは、人の一生を左右する最後の判決文を、そのケースによっては長時間かけて自らの声で伝えなければならない職業です。ところが、その判事さんは、判決文の結論にあたる主文にいたる前に、声がかすれてしまうことが時々あったそうです。「人の一生を左右するような大切な場面で、カスカスの声になってしまうのは失礼だ。そんなことがあっては決してならない」と思われて、習いに来られたそうです。

 

ーー非常に職業意識の高い方ですね。なるほど、「声そのものを改善する」の意味が少し分かりました。

 

続く。

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