活動報告

職業を知ろう!No.4『ナレーター』❷

2017/03/11

林さん  その後、チケットを友人や知り合いに買ってもらい、ハードな練習の合間をぬって仕事をしながら演劇を続けていくうちに、だんだん疲弊していく自分がいました。「これを続けて何の意味があるのかな?」と考え始めたんです。

 

ーー大好きな演劇をしていたにもかかわらず、徐々に疲弊していったんですか?

 

林さん  疲弊していきました。そのうちに、知り合いや友人に演劇を観て頂いた後、『良かったよ、最高だったよ』と言われても、僕自身「本当にそう思って言ってくれてるのかな?そりゃ、面と向かって『面白くなかったよ』なんて、普通言えるわけないよな」と考えるようになりました。そして、演劇を10年ほどやった後に、「僕にとって表現することは、結局のところ、自分自身が気持ち良くなりたいだけではないか」と感じてしまったんです。

 

ーー自己満足にすぎなかったと。

 

林さん  そうです。それで、このまま続けていても意味がないから辞めようと思いました。ただ、元来、表現すること自体は好きでしたし、今までの自分の経験を生かせる仕事を何とか見つけられないかなと。その時に、劇団の先輩がナレーターという仕事をアルバイトでされていました。当時の自分にとって、「ナレーターっていいな、素敵だな」と魅力的に映ったんです。それで「ぜひ、自分もやってみたい!」となったわけです。

 

ーー劇団で演じていた経験が、ナレーターという仕事につながっていくわけですね。

 

林さん  はい。僕がナレーターを始めたいと考えた時期と、劇団メンバーを中心に、ナレーター事務所が創立された時期が同時期だったこともあり、ナレーターに本腰を入れるきっかけになりました。

 

ーーこれまでに大変だったことや、困難だったことはありましたか?


林さん  ナレーターを始めた当初が大変でした。ナレーターを始めた頃は、まだ劇団も続けていたので、深夜12時ぐらいまで劇団で練習した後に、ファミレスで早朝までアルバイトをしていました。ナレーターという仕事の依頼は、急に生まれることも多かったので、常に午前10時〜午後5時ぐらいまでは空けておく必要がありました。駆け出しだった頃は仕事が少なかったので、仕事が発生した時、すぐにチャンスをつかめるように、時間を空けて常に準備を心がけていました。

 

ーーかなりハードな生活だったんですね。

 

林さん  当時、安定的に仕事があった先輩に比べると、新米の僕にはほとんど仕事がありませんでした。それでも、先輩の仕事のおこぼれを必死に拾おうと、常に準備していたからこそ、『林だったら、いつでも引き受けてくれる』という評価を得ることができたのだと思います。

 

ーー『信頼』を勝ち取ることができたんですね。

 

林さん  もちろん、すぐに評価を得ることができたわけではありません。それでも、だいたい3年ほど継続していると、そこそこ安定的に仕事が入ってくるようになり、ナレーターという仕事だけで生活できるようになりました。

 

続く。

 

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小学校での朗読ボランティアの様子

 

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