活動報告

職業を知ろう!No.2『加賀象嵌作家』❸

2016/11/23

ーー最初の1〜2年は辛かったということでしたが、現在はいかがですか?

 

坂井さん  今はこの仕事にのめり込んでいます(笑)

 

ーー「のめり込んでいる」と言われましたが、坂井さんにとって辛かった仕事が、のめり込むまでになったきっかけは何だったのですか?

 

坂井さん  この仕事に就いて2年目だった頃に、私と仲間二人でグループ展を開催したんです。その時に、予想以上に多くのお客様に来て頂きました。今でも覚えていますが、そのグループ展に来られた一人のイタリア人に、私の商品が気に入られ、購入して頂きました。その頃は、作家としての経験は当然今より浅く、まだよく分からずに商品を作っていた時期でした。そんな時期に、私の作った物を購入して頂いたことが本当に嬉しかったんです。

 

ーーそれは本当に嬉しいでしょうね。

 

坂井さん  「私が作った物を買ってくれる人がいるんだ」と感激したことを、今でもよく覚えています。非常にモチベーションが上がり、やる気がわいてきましたね。その時に、「お客様が喜んで頂けるような物をもっと作りたい」という強い思いが、自然にわきあがってきました。それ以降、この仕事にのめり込んでいったのだと思います。

 

ーー大変よく分かりました。坂井さんにとって、そのグループ展は、ある意味でターニングポイントになったのかもしれませんね。

 

坂井さん  そうですね。私にとっては非常に重要なグループ展でした。

 

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ーーところで、休日はどのように過ごされていますか?

 

坂井さん  図書館で商品のデザインを考えていることが多いですね。本来であれば、働く時はしっかり働いて、休日はしっかり休むというように、メリハリをつけたほうが良いのかもしれませんが、どうしても仕事のことを考えてしまいます。

 

ーーその辺りも、「仕事にのめり込んでいる」という現在の状態を表しているのでしょうか?

 

坂井さん  そういう言い方もできますね。私にとって、今は仕事にのめり込む時期なのかもしれません。

 

ーー坂井さんが仕事をされるうえで、大切にしていること、気を付けていることは何ですか?

 

坂井さん  いらっしゃったお客様一人一人に、加賀象嵌について丁寧に解説することです。ここに来られるお客様の多くは、加賀象嵌に関してほとんど知りません。加賀象嵌を少しでも理解して頂き、興味を持って頂くことが、ここに再び足を運んでくださることにつながるのだと思います。

 

ーーまずは、加賀象嵌を知ってもらうこと、関心を持ってもらうことが大切なんですね。

 

坂井さん  その通りです。それを意識してお客様に接することは、私や加賀象嵌に携わる人たちの未来にとって、大変重要だと思います。

 

続く。

 

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