活動報告

親の会でのひとコマ『ゲーム機を取り上げるべきか?』❷

2016/08/07

もう一つは、「向き合いたくない現実があって、何となくテレビゲームを続けている場合」です。

 

彼らに聞くと、「ゲームが楽しいというより、ムカつく現実を忘れられるから」とか「ゲームをしている時間だけは没頭できるので何も考えずにすむから」と答えます。決してキラキラした顔でゲームをしているわけではないのです。

 

不登校になった場合、子供は親以上に不安な気持ちを抱えて生きています。ゲームは、よく「命綱」や「浮き輪」に例えられます。現時点で、彼らにとってはゲームという居場所があることで「かろうじて今を生きていられる」のです。

 

親御さんは「もしゲーム依存になったら将来が不安。。。」と未来を考えていることに対して、子供は「今が不安で辛い。。。」と今を考えています。ここに考え方のギャップがあることに気づかない限りは、いつまでたっても両者の話はかみ合いません。

 

これまで多くの事例を聞いたうえで言えることは、強制的にゲーム機を取り上げたケースの多くの場合、親子関係が悪化し、子供自身も決して回復に向かわないということです。命綱とも言うべき、浮き輪を取り上げられるわけですから当然です。

 

子供からゲーム機を取り上げることは、子供を傷つけ、親子関係を悪化させます。そうなると、会話が全くなくなってこう着状態になってしまったり、ゲーム機を力づくで奪い返そうと暴れ出して手がつけられなくなり、家族が避難することになった事例もあります。結局、ゲーム依存を避けるためにとった手段が、ゲーム依存を招くことにつながりかねないのです。

 

「ネットゲームは唯一の心を許せる場所だったのに、それを取り上げられ、本当に孤独な気持ちになり死にたくなった」という方もいました。彼らとの会話から、ゲームの世界は、彼らにとって賞賛や共感を得ることができる唯一の居場所になっている場合も少なくないことに気づかされます。

 

では、親はどう対応すればいいのでしょうか?

 

続く。

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