活動報告

今、不登校をふりかえって〜子供の視点と親の視点〜❻

2016/04/14

ーーこれもよくある質問の一つですが、中野さんはどう思われますか?「子供の気持ちに寄り添いたいと思っています。でも、学校を休んで、ずっとマンガやアニメの動画、ネットゲームばっかりしている姿を見ると、なかなか寄り添う気持ちになれません。早く学校に行って欲しいと思ってしまいます」

 

中野さん母   数年前に、不登校を経験された方の講演会に出たことがあります。その方から、「当時、ゲームをしたくてやっていたのではない。辛い状況を感じないようにするためにゲームをしていた」と聞きました。

 

ーー楽しんでゲームをしていたのではないと。これを聞くと、多くの親御さんは意外に思われるかもしれません。

 

中野さん母   そうですね。でも、私の場合は違ったんです。その話を聞いた時、二十年近く前に主人の仕事の都合でニューヨークに住んでいた頃の自分を思い出しました。当時私は全く英語が理解できず、外出中に英語で話しかけられると頭が真っ白になりました。その状況に大変大きなストレスを感じていました。そんな時に、日本から持ってきた好きなマンガを読むことが、自分にとっての大きな支えでした。辛い状況を感じないようにするために、当時の私にとって日本のマンガが必要だったのです。だから、子供の心が回復するために支えになる存在が、ゲームやアニメであることはよく理解できます。

 

ーーそのようなお母様ご自身の体験を通して、太郎くんに対して具体的にどのように接したのですか?

 

中野さん母   息子は、アメフトやバスケ、ネットゲームが好きでした。私は何とか太郎と同じ時間を共有したいと思いました。最初は全くアメフトやバスケのルールを知りませんでした。それでも、太郎に教えてもらいながら、一緒にテレビで試合を観戦しました。録画された試合を観ることが多かったのですが、私が質問するたびに、太郎は一時停止ボタンを押してから、試合の状況を丁寧に解説してくれました。

 

ーーそうだったんですね。太郎くんの好きなことを共有し、共感されたのですね。

 

中野さん母   はい、太郎も生き生きとした表情で、いろいろ教えてくれました。

 

ーー子供の気持ちに寄り添うという視点で考えると、中野さんのように子供の好きなことに関心を持って、共有・共感することが大切なんだと改めて思いました。

 

次回へ続く。

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