2018年8月の活動報告
『みんなの居場所』来週の営業時間
2018/08/31『みんなの居場所』は、来週9月6日まで無料開放となっております。
自分以外に誰もいない「貸し切り」での予約も承っております。
ぜひご利用ください!
来週の営業時間は、次のような予定です。
ご予約は、なるべく前日の夜までにお願い致します。
9月
3日(月)10〜16時
4日(火)10〜16時
5日(水)10〜16時
6日(木)10〜16時
7日(金)休み
8日(土)休み
ひきこもりを越えて❷
2018/08/30先日ご紹介した「ひきこもりを越えて」シリーズの第2弾です。
以下は、掲載された記事全文を抜粋しました。
2018年8月25日 読売新聞 朝刊より
過疎地就労 地域支える
⬛︎農家の高齢化
白山市の山あいに位置し、黄金色の稲穂が広がる鳥越地区。強い日差しが照りつける今月23日、田んぼの周囲の草刈りに精を出す3人の青年の姿があった。黒く日焼けした、20歳代から30歳代の3人は、いずれも元ひきこもりたちだ。
3人は、ひきこもりを抜け出そうとする人が集う鳥越地区内のシェアハウスに住む。ハウスで4年生活する藤井一輝さん(22)は、今では草刈り機を操るのはお手のもので、みるみる雑草を刈り取っていく。「しんどいけど、やりがいを感じます」と、作業の合間に爽やかな笑顔を見せた。
鳥越地区では若者が減少し、農家の高齢化が深刻化している。約5年前から、シェアハウスに住む元ひきこもりたちが、田んぼの草刈りや防除作業を請け負っている。依頼した鳥越地区に住む農業大西光宏さん(54)は「一輝君たちの力がないと、田んぼを管理できない。非常に助けられている」と喜ぶ。
この田んぼから車で10分ほど離れた場所に、古民家を利用したシェアハウスがある。この場で4人が生活し、各自の部屋や共用スペースが設けられている。
4人とも就労し、午後5時を過ぎた頃に全員が帰宅する。夕ご飯は皆が協力して作り、この日のメニューは、管理人の西野雄人さん(30)のお得意のカレーライスだ。米やジャガイモなどの食材は地域からのもらいものが中心。藤井さんは「ひきこもりから抜け出した今、仕事終わりの飯のおいしさに気がつけたのが一番うれしい」と語る。
⬛︎一人暮らしは不安
藤井さんは高校1年でクラスになじめず、その年の秋から約2年半ひきこもった。毎日ゲームやマンガ三昧だったが、18歳になって「このままじゃダメだ。何とかしないと」と焦りが募り、部屋から出る決意をした。
とは言っても、進学や就労する自信はなかった。自宅にいると、再び部屋にひきこもってしまいそうで、シェアハウスでの生活を選んだ。今後はトラクターの運転免許の取得など、農業に本格的に関わるつもりだ。
シェアハウスを運営するNPO法人「ワンネススクール」の森要作代表(55)は「一人暮らしは不安で、自宅暮らしはひきこもりに戻る心配がある人のためにこの場がある」と語る。元ひきこもりは共同生活を通して、他者とのコミュニケーションを学び、社会へ巣立っていく。
一方で、この集落にとって元ひきこもりは、数少ない若者だ。農業だけでなく、祭りの準備、消防団の活動、雪下ろしなども手伝う。来月にも集落の祭りがあり、神輿の準備を任せられている。かつて、社会から孤立した青年たちが過疎化が進む集落を支えている。
MRO「レオスタ」にて、『みんなの居場所』が紹介されました!
2018/08/3029日の夕方ニュース、MRO「レオスタ」にて、『みんなの居場所』が紹介されました!
今回は「9月1日問題」に絡めて紹介され、子どもたちが気軽に足を運べる居場所として、『みんなの居場所』を取り上げて頂きました。
『みんなの居場所』が紹介されました。
高校入学後の彼らは?5カ月後の今は?
2018/08/29今年の春、みんなの家庭教師から19名の生徒が、全日制や定時制、通信制の高校へと、それぞれ進学しました。
「その後、彼らの現在の状況はどうなっているのか?」
「高校入学後の彼らを追う中で、見えてきたことは何か?」
「学校へ通えていない現状から高校入試へ向けて、またその後の高校生活へ向けて、勉強以外に何をしたら良いのか?」
みんなの家庭教師の視点で、来月9月からお伝えしたいと考えております。
お知らせです!
2018/08/28明日の29日水曜日、『LYHTYschool -IRORI-』の代表である佐々木健治さんが、NHKの夕方ニュース「かがのとイブニング」にてゲスト出演されるとのことです。
そのニュースの中で扱われるテーマが「9月1日問題」。
「9月1日問題」については、ここでも以前からお伝えしておりますし、ご存知の方は多いのではないでしょうか。
ちなみに、本日お知らせしましたように、明日のMRO「レオスタ」でも、「9月1日問題」に絡めて「みんなの居場所」が紹介される予定となっております。
「レオスタ」、「かがのとイブニング」ともに、明日の夕方6時過ぎ~の放送となりますが、多くの方にご視聴頂き、この「9月1日問題」について知って頂きたいです。
MRO「レオスタ」で、みんなの居場所が紹介されます!
2018/08/28明日29日の水曜日、MROの夕方ニュース番組「レオスタ」で、みんなの居場所が紹介されます。
9月1日問題にからめて、みんなの居場所をご紹介頂けるとのことです。
午後6時15分〜の放送です。
ぜひご覧ください!
「#不登校は不幸じゃない」
2018/08/27先日、この活動報告でもご紹介しました「#不登校は不幸じゃない」と掲げたイベントが全国100カ所で開催されました。
ここでは、その様子の一部をご紹介します。
以下は、8月24日の「琉球新報」からの一部抜粋です。
夏休み明けを前に開かれた「#不登校は不幸じゃない」イベント。
夏休み明けに多発する子どもの自殺を防ごうと「#不登校は不幸じゃない」と掲げた催しが19日、全国100カ所で同時開催された。沖縄県内では那覇市の子ども図書館「にじの森文庫」で開かれ、社会人として活躍する元不登校者やその親ら5人が「学校に行かないのは選択肢の一つ。苦しむ必要はない」「つらくなったらいつでもここに来て」と呼び掛けた。当初の定員20人を大幅に上回る当事者や家族が申し込み、うなずいたり涙をぬぐったりしながら耳を傾けた。登壇者の発言を紹介する。
<元不登校者>
◇目標見つけ、自信に/盛島楓さん(サロンモデル)
学級のムードメーカーだったが小学3年でいじめに遭い、中学2年の途中まで学校に行けなくなった。その間の記憶はほぼない。「なぜ行かないの」と言う先生が怖くて引きこもった。近所の友達が誘いに来てくれたが、外に出るのは好きじゃなかった。
好きなお菓子作りを学ぼうと高校を目指した。勉強していなかったので大変だったが、できないところから学べる塾に通い成績が上がった。休まず行けた高校で始めたバンド活動では、練習した分、自信が付き、人前が怖くなくなった。
卒業後は東京の美容専門学校で学び、自信のない人が自信を付けられるようなメークをしたいと沖縄に戻った。
将来に目を向けるようになって、夢のために学校に行く、そのために点数を取る、と逆算して勉強するようになった。目標があれば向かって行ける。好きなことが見つかるよう、周囲が支えてくれたらいい。
◇「道」はたくさんある/親川政明さん(日本パーソナルビジネス協代表理事)
小学1年で不登校になったのは、けがで入院中、看護師に勉強を教えてもらい、復学すると自分の方が進んでいて、学校に行く意義を感じなくなったから。でも学校に行かないと白眼視される。大人になっていいことがあると思えず、毎日死にたいと思っていた。中学、高校も入学したが「学校行ってなかったんだって」と言われ「普通の子」との壁を感じ、行かなくなった。
高校中退後、カラオケ店で働き、社会の仕組みが分かり、生きていけると分かった。自分で自分を雇おうと26歳で起業し、41歳の今は二つの会社を経営し、コンサルタントもしている。
学校教育は画一的な人を育てるためのもの。学校に行かなくても食べる道はたくさんある。未来に不安を感じる前に睡眠や食事を改善して健康になり、生き延びるすべを見つけて。
◇笑顔と健康が大切/志堅原京子さん(ピラティスインストラクター)
小学校3年生のころから7年間、学校に行こうとすると吐き続ける日が1週間続き、8日目に重湯が飲めるようになって学校に行こうとするとまた吐くことの繰り返し。地獄のような毎日だった。30年前で不登校の理解も知識もなく、親と多くの病院を回って検査をし、ユタや宗教にも行ったが、原因は今も分からない。
最初は学校に行かそうと頑張った母も、私の体が弱ってきたのを見て「生きていたらいい」と思うようになり、それから私の表情が変わったと言っていた。
中3の2学期で急に吐くのが止まり、泊高校を卒業し、沖縄国際大に進んだ。学費が払えず泣く泣く中退したが、働いて海外に出て、IT企業に11年間勤め一流大学出の人と肩を並べて仕事もした。
人はいつからでも何でもできる。私には母の支えが大きかった。大切なのは毎日を笑顔で健康に過ごすこと。心の中に生きる力が育まれれば、学校に行かなくても生きていける。
<家族>
◇子を信じ、待つだけ/伊志嶺幸美さん(にじの森文庫館長)
中2の息子が小5の時、登校渋りになった。「でーじなとん」と最初はバトルだった。でも不登校の理由は分からず、本人が選んでいるからでしかない。
子育てのゴールは子どもが自分で生きること。彼は釣りが好きで、同世代から60代まで釣り仲間がいて、自分で釣ってさばいて料理して食べ「野宿してくる」と出ることもあった。彼は自分で生きていける。親にできることはいつでも戻れるよう、困ったときには助けられるよう信じて待つだけ。息子は「友達とは好きなことが違うだけ。学校に行かなくてもいい」と自分のスタイルを持っている。彼が私を導いてくれた。
学校は授業の間は「子どもを外に出さないで」と言う。でも子どもが子どもらしく生きるには太陽の下で活動しなければ。自分の子でなくても、権利を守り、育ってもらいたい。つらい子はここに来てほしい。
◇学歴より、生きる力/盛島美奈子さん(ヨガインストラクター)
娘の楓(かえで)はいじめがきっかけで不登校になった。娘は怖くて行けないのに、学校には「なぜ来ない」と言われる。学校に行けない子を育てたと負い目を感じた。
本人の気持ちより「周りのことを考えて」と協調性を重視し、厳しく育てすぎたかもしれない。「頑張れ、負けるな」と車で連れて行ったこともある。私もいじめに遭って頑張った経験があり、同じように求める気持ちもあった。かわいそうなことをした。
ある日、娘が表情のない顔をしているのに気付き「やばい、死んじゃう」と思った。どうしたら希望を持って生き続けられるかと考え、身近な大人である自分が楽しそうになろうと言葉や行動を変え、我慢していた趣味も始めた。すると子どもへの言葉も変わった。悩みはあるが子どもも大きくなると力を付ける。学歴がなくても生きる力があれば生きていける。
来週開催される『親の会』のご案内
2018/08/27来週、お盆明けの9月7日、金曜日午後2時から、金沢市の「おーぷんはうす」でお茶会が開かれます。
いつもながらの暖かい雰囲気の中、ゆったりと話を聴いて頂ける会です。
今年で29年目をむかえる会ならではの安心感で、どんな内容の話にも、過去の事例をもとに親身に対応してくれます。
また、親御さんだけでなく、子供たちの参加も多い会ですので、子供目線での話を聴けるメリットもあります。
お好きな時間に、ぶらりとお立ち寄りください。
9月7日(金)
おーぷんはうす お茶会
場所:金沢市泉野出町1丁目(詳細な場所はお電話でお知らせします)
時間:午後2〜5時ごろ
会費:300円
電話:090-5175-5432(工藤)
〝中間〟を目指す意味❹
2018/08/26過去の様々な事例から分かることは、家での「安心・安全」を担保する大切さです。
それは、「甘やかす」や「引きこもりを助長する」ということでは決してありません。
「安心・安全」の場所で彼らが少し元気になり、動き出しやすい状態になるのを優先します。
この段階では待つ必要があり、親御さんにとっては忍耐が必要な時期かもしれません。
ある親御さんの言葉です。
「どこに相談しても、いつも最後には『様子を見ましょう。待ちましょう』と言われる。いつまで様子を見れば良いのだろう。待てばいいのだろうか?」
今までにあちこちの親の会で、こんなふうに感じとっている多くの親御さんに出会いました。
確かに、「様子を見る。見守る。待つ。」というのは、ある時期においては非常に大切な部分だと思います。
一方で、「様子を見守りながら、その後はどうすれば良いのか?」と。
「もう少し具体的にアドバイスして欲しい。そうでないと、先が見えなくてしんどい。。」そのように思ってしまうのが自然でしょう。
個人差はありますが、多くの場合において、一定期間経過して少し元気になると、ふとした時に「家から一歩出よう」と思いやすくなります。
そんな時に、彼らにとってストレスが少なく安心して過ごせるような「学校と家の中間に位置する居場所」を具体的な選択肢として作りたかったのです。
ちょっと元気になった後、家から出る時のファーストステップとして「みんなの居場所へ行ったらどう?」と、料金的にも負担のないような選択肢を、親御さんが気軽に子どもに提案できれば良いなと。
いきなりフリースクールや塾、予備校、新しい学校は無理でも、まずはワンクッションをはさむ形で、気楽にみんなの居場所を訪れて頂きたいです。
みんなの居場所でさらに元気になった後は、それぞれの新しい居場所へ進みやすくなっていると信じております。
ひきこもりを越えて
2018/08/25約2年前、この活動報告の「いま聞きたい人」でインタビューさせて頂いた、ワンネススクールの中村広太郎さんが、8月24日の読売新聞で紹介されました。
今回、中村さんが紹介された「ひきこもりを越えて」は、数回からなるシリーズになっているそうで、ひきこもりに関して知れる良い機会になるのではないでしょうか。
2018年8月24日 読売新聞 朝刊より
以下は、掲載された記事の一部を抜粋しました。
全国に70万人ほどいるとされる、ひきこもり。
国がひきこもりの支援事業を本格化させてから、間もなく10年になるが、解決には至らず、高年齢化や長期化が進む。どうすれば孤立から抜け出せるのか。部屋から抜け出して社会で奮闘する人や、抜け出そうともがく人たちを追った。
自身の経験 子どもたちに
⬛︎就労に助言
ひきこもりなど自身の経験を積極的に語り、ひきこもりや不登校の子どもを支援する男性がいる。金沢市と白山市でフリースクールを運営するNPO法人「ワンネススクール」のスタッフ、中村広太郎さんだ。
中村さんは、ひきこもりや不登校から抜け出そうとする人が集う金沢市内のシェアハウスの管理人を務める。シェアハウスの住人や、自宅からハウスに通う不登校の少年や少女と一緒に料理を作ったり就労のアドバイスをしたりする。シェアハウスの共有スペースは笑いが絶えず、皆、生き生きとした表情を見せる。
この場に通う人は、約1年をかけて社会へ戻る。精神疾患などを理由に不登校となった青年は、掃除が一切できなかった。中村さんがほうきの使い方を根気よく教え、青年は現在、清掃の仕事に就いた。そうした姿を目にすると、中村さんはやりがいを感じる。
⬛︎昼夜逆転の生活
中村さん自身、中学2年から2年間ひきこもった。借金を理由に幼少期に一家で神戸市へ夜逃げした。父親の度重なる逮捕と死別、股関節の難病で入退院の連続ーー。あっけらかんと語る半生は苦労ばかりだ。阪神・淡路大震災で被災し、復興住宅に入居するため金沢市へ引っ越すと、学校になじめず、「とうとう心の体力がなくなった」とひきこもった。
昼夜逆転の生活で、深夜ラジオだけが楽しみだった。同じ頃に7歳年上の姉もひきこもり、家庭内は母や姉とけんかが絶えなかった。部屋に閉じこもり、「毎日死ぬことしか考えていなかった」と振り返る。
部屋から出るのを決意したのは、「失った人生を取り戻したい」との思いからだ。ただ、アルバイトを始めても人間関係や職場になじめず、仕事を転々とする日々が続いた。
⬛︎他者と交流 喜び
飲食店での勤務が一つの転機になった。食事する客の笑顔や客との会話に喜びを感じた。他者との交流を始めると、「人間は本質的に社会や他人と関わりたいと思う生き物。ひきこもりは幸せではなく、助け出したい」との思いが芽生えた。
2012年には、ワンネススクールのスタッフとなった。相談に訪れるのは、かつての自分と同じく社会から孤立する人ばかり。自分の半生をもとにしたアドバイスは、相手から共感を得た。直接支援に関わったのは30人ほどで「自分の半生を宝物のように認めることができた」と語る。
専門的な知識や資格を得るため、2年前から大学で心理学を学び始めた。ひきこもりを支援する団体も結成し、当事者同士で悩みを共有する場を設ける。現在は、元当事者たちが自身の経験を語る映像を制作中だ。インターネットに映像を公開して、当事者や家族が見ることで、部屋から抜け出す力になるのが狙いだ。
「人生は何歳でだってやり直せる。その手助けになりたい」と語気を強める。孤立するひきこもりを救うため、奮闘し続けるつもりだ。
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