2017年4月の活動報告
一秒でも早く学校に戻ってほしくて❸
2017/04/20今年で29歳になる息子さんは、通信制高校を卒業後、専門学校、そして大学へ進学し、現在は会社員として忙しく働いているそうです。
親御さんは当時を振り返り、「時間をまったく気にしなくなったことは大きかったように思う。『早く元気になって、早く学校に戻って、みんなと同じようになってほしい』と求め続けたことで、それが圧迫感として伝わり、息子をずっと追いつめていたのだと思う」と話されています。
親御さんが「気づき」を得たことで、息子さんへの圧迫感が和らいだと言えそうです。親の変化は、敏感な子供であれば、すぐに察知するはずです。
親御さんの言葉です。
「いろんな親御さんの話を聞いてきて、またわが子の不登校を通して感じているのは『元気になれない子どもはいないのではないか』ということ。その子のスピードで、その子を否定することなく、寄り添っていければ、かならず道はつながっていくと思います」
一秒でも早く学校に戻ってほしくて❷
2017/04/19その後、不登校だった息子さんは通信制高校に編入し、1年生をもう一度やり直すことになりました。
しばらくして、高校認定試験の存在を知った親御さんは、息子さんに試験の話を持ちかけます。
この時に、「私自身の心の中に『他の同級生と同じように、息子に現役で大学に行って欲しい』という思いがあった」と話しています。
「やってみようかな」と言う息子さんの一言に飛びついた親御さんは、高校認定試験の資料や参考書を買い集め、まだ完全に元気になっていなかった息子さんに、どんどんプレッシャーをかけてしまったそうです。
結果的に、息子さんは自分を追いつめて動けなくなってしまい、荒れることが多くなったといいます。
「ある日、荒れていた息子が携帯電話を投げつけ、すごい目で私を見た時の表情が今でも決して忘れられない」とその出来事を振り返っています。
その息子さんの表情から強く感じた「生の苦しい姿」が、親御さんの心の中にずっとあった「時間」へのこだわりを消したそうです。
『なぜ、ここまで息子を追いつめてしまったのか。息子がこんなに辛い思いをしているのに、私は何を望んでいるのか』
そう気づいた後は、「いつまでに」とか「早く」とかを考えることがなくなったといいます。
続く。
一秒でも早く学校に戻ってほしくて❶
2017/04/18今回は「不登校新聞」456号の記事について触れたいと思います。
ある親御さんへのインタビュー記事で、高校直後に不登校になった息子さんに対して、その親御さんが当時抱いた率直な思いが書かれてありました。
大切なことが、非常に分かりやすく書かれていたので、その一部をお伝えしたいと思います。以下は、その一部の要約です。
「不登校関連の本を読みあさり、親の会へ行き、カウンセリングにも通ったけれども、私自身そんなに簡単に変わることはできなかった」
「頭では理解していても、心のなかにある『学校へ行ってくれたらいいな』という気持ちはなかなか消えなかった」
「『1分1秒でも早く学校に復帰してほしい』とか『いつになれば元気になるのだろう?』とか、「時間」ばかりが気になっていた」
このような思いは、不登校の子供を持つ親御さんであれば、多くの方が経験されたことだと思います。
この親御さんは、時間が気になった理由について、「結局、私が自分の苦しみから早く抜け出したかった。息子のため、息子主体でと言いながらも、私自身が楽になりたかった」 とあります。
この正直な思いは、現在進行形で悩んでいる親御さんの誰もが共感する思いかもしれません。
この親御さんは、その後に起こった「ある出来事」が原因で、心の中にあった「時間」へのこだわりが自然となくなったそうです。
続く。
来週開催される「親の会」のご案内
2017/04/17来週24日の月曜日に津幡町で、「ホットミルク」が開かれます。
平日の午前中に開かれる会なので、土日が忙しく、夜も仕事で都合がつかない方にとっては参加しやすいのではないでしょうか。
アットホームな雰囲気で話を聴いてもらえて、しかも参加費は無料なので、初めての方も参加しやすいと思います。
時期に合わせて、親子で参加できるイベントも行っていますので、関心のある方はぜひご参加ください。
4月24日(月)
津幡町不登校の親の会 ホットミルク
場所:石川県河北郡津幡町加賀爪二3番地 津幡町役場となり福祉センター1階相談室
時間:午前10〜12時
会費:無料ですが、一人一つお菓子を持参
電話:076-288-6276
メール oyakosaron@po4.nsk.ne.jp
また、来週26日の水曜日は加賀市で、「いまここ親の会」が開かれます。
いまここ親の会は、ひきこもりや不登校に関する取り組みを行っています。
現在、悩まれている親御さんだけでなく、過去にひきこもりを経験した若者も参加されますので、非常に参考になる話を聴くことができます。
また、代表の林さんを中心に、親身になって話を聴いて頂けますし、とても話をしやすい雰囲気ですので、初めて参加される方も安心です。
関心のある方は、ぜひご参加ください。
4月26日(水)
いまここ親の会
場所 : 加賀市山中温泉西桂木町ヌ26加賀市消防署山中分署近く
時間 : 午後7時30分〜
会費 : 500円 (会員の方は100円)
電話 : 070-5633-2667
E-mail : dekunobodo@yahoo.co.jp
代表 : 林昌則
◎場所・日時は変更になる場合があります。参加される前に電話でご確認ください。
また、来週27日の木曜日に、津幡町で発達障害児の親の会クローバーが開かれます。
あたたかい雰囲気で、親身になって話を聴いて頂ける会です。初めて参加される方も、安心して話すことができます。
無料で参加できますので、津幡町以外の方もお気軽にご参加ください。
4月27日(木)
津幡町発達障害児の親の会 クローバー
場所 : 石川県河北郡津幡町加賀爪二3番地 津幡町役場となり福祉センター1階相談室
時間 : 午前10〜12時
会費 : 無料ですが、一人一つお菓子を持参
電話 : 076-288-6276
備考 : 当日参加OKです
今週開催される「親の会」の日時に関する訂正
2017/04/16今週21日の金曜日に開かれる「おーぷんはうす」のお茶会の開始時刻は、お昼の12時〜になりました。終了時刻は午後3時30分です。
4月21日(金)
おーぷんはうす お茶会
場所:金沢市泉野出町(詳細な場所はお電話でお知らせします)
時間:お昼12時〜午後3時30分
会費:300円
電話:090-5175-5432
また、「おーぷんはうす」の例会は、翌日の22日、土曜日午後2時〜となっております。こちらは先週お伝えするのを忘れておりました。申し訳ありませんでした。
創立して、今年28年目を迎える「おーぷんはうす」は、あたたかく気さくな雰囲気の中、お茶やお菓子を囲みながら、ゆったりと話を聴いてもらえる親の会です。
同じ悩みを抱える方と出会い、多くの方の事例を聴くことによって、癒され気持ちにゆとりが生まれます。
ぜひ一度、お気軽に参加しませんか?
当日参加もOKです。駐車場など、詳細は電話にてご確認ください。
なお、「おーぷんはうす」は、2016年11月23日、金沢市文化ホールにて、『金沢市ともしび賞』を受賞しました。金沢市ともしび賞とは、長年にわたり、福祉奉仕活動を続け、地域の福祉の向上に著しく貢献していると認められる個人又は団体の功績を讃えるものです。
4月22日(土)
おーぷんはうす 定例会
場所:金沢市笠市町10-9 サンフレッシュ笠市101
時間:午後2〜5時頃
会費:500円
電話:090-5175-5432
背中を押すこと❷
2017/04/15いくつもある学校の中から自分が行きたい学校を見つける時、どんな手順を踏めば良いのでしょうか?
第一に、それらの学校のホームぺージを検索して、パンフレットなどの資料を取り寄せます。第二に、関心がある学校があれば、そこへ見学に行きます。
それに加えて、みんなの家庭教師では、過去に通っていた生徒さんや、現在通っている生徒さんの生の声を集めたり、進路に関する教育相談も承っております。
生徒さんにとって、自分の話を誰かに丁寧に聴いてもらうことは、頭の中が整理されるのに役立ちます。
頭の中が整理されれば、行きたい学校が見つけやすくなったり、もともと自分の中に存在していた答えが明確になりやすくなるでしょう。
結果的に、生徒の「背中を押すこと」になり、生徒自身の決断につながります。
背中を押すこと❶
2017/04/14先月の末に進路に関して、初対面の生徒さんと話をする機会がありました。
その生徒さんは、通学していた全日制高校を辞めて、次にどのような選択をすれば良いか迷っていました。
そのため、次の一歩をどのように踏み出すべきかについて、第三者の意見を参考にしたいとのことでした。
最初に、生徒さんのそれまでの経緯を伺いました。その後、通信制高校や高校認定試験に関する情報を伝えながら、様々な生徒さんの事例も含めて、2時間ほどお話をさせて頂きました。
それから2週間近く経過した今日の午前中に、その生徒の親御さんから連絡がありました。
「ついに、子供が勇気を出して自分自身で決めた進路に進むことになりました。先日、会って頂いた際に、背中を押して頂いたおかげです。ありがとうございました」とのことでした。
現在は、一昔前に比べると、通信制高校だけをとっても非常に多くの選択肢があります。多くの選択肢があるということは、生徒たちにとって大変幸せなことです。
その反面、選択肢が豊富であることが災いして、迷いが生じてしまう生徒も少なくありません。
続く。
書籍案内『中学なんていらない』
2017/04/13漫画家である青木光恵さんが、不登校になった一人娘の実話をマンガでまとめた作品です。
著者の長女が中学1年生のある日、男子生徒からのいじめをきっかけに不登校になってしまうところから始まります。
物語は母親目線で書かれており、「あるある」なエピソードで、母親の気持ちを代弁してくれる描写が多いのが特徴です。
コミカルな絵と文章で読みやすく、共感する親御さんは多いはずです。
子供が不登校になった時、不登校関連の本を読んだり、講演会に参加して知識を得ることも大切ですが、一方で、このようなコミックエッセイを気楽に読んでみるのも良いかもしれません。
なお、『不登校の17歳』という続編も最近発売されたようです。
子供のため?親のため?❷
2017/04/12「親が心のどこかで『子供の学校復帰を強く待ちわびていたり、せめて勉強だけでもして欲しい』と考えているうちは、子供はなかなか良い方向へ向かわない」という言葉です。
言い換えると、「親中心で物事を考えているうちは、それが子供(敏感な方が多い)に伝わり、しっかり休めない」ということなのではないでしょうか。
「子供が不登校になったなんて認めたくない」「子供がこんな状態だと、恥ずかしくて友達や親戚にも言えない」「子育てに失敗したダメな親だと思われてしまうのが嫌」
心のどこかで、これらの声が響いているのだとしたら、子供の話を本当の意味で親身に寄り添って聴くことは難しいかもしれません。
ある親御さんの言葉です。
「子供を心配するふりをしながら、実は私自身の心配をしていたんです」
もちろん、親も人間です。当然、誰にでも同じような経験はあるでしょう。
大切なのは、「気づくこと、学ぶこと」です。
その時こそ、「親のため」ではなく「子供のため」に話を最後まで聴いて共感できるはずです。
そこから、親子の新しい絆が生まれるのではないでしょうか。
子供のため?親のため?❶
2017/04/11よく聞かれる質問の一つに、「もし子供が不登校になってしまったら、どうすれば良いのか?」があります。
第一に、「信頼できる第三者や親の会など、外部に相談すること」です。
つまり、親御さん自身が『自分の思いを定期的に吐露できる場所を確保すること』が大切です。
第二に、「子供の言うことを否定せず、話を最後まで聴いて共感すること」です。
これを継続して実行するためには、親御さん自身の気持ちに余裕があることが絶対条件です。
「気持ちに余裕を持つためにどうすれば良いか?」
先ほどお伝えしたように、まずは親御さん自身の思いを吐露できる場所の確保が必要になります。
親御さんは、第三者に自分の気持ちを丁寧に聴いてもらって初めて、子供の気持ちを丁寧に聴くことができるようになるのです。
加えて、子供の話を聴くうえで、ぜひ親御さんたちに伝えたいことがあります。
それは、過去に不登校のことで悩まれた親御さんたちからのメッセージとも言えるものです。
続く。
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