不登校における親子の回復段階

不登校における親子の回復段階❸

2016/11/03

不登校やひきこもりの期間を脱して、元気に勉強したり、働いている方に当時のことを振り返ってもらうと、彼らの多くは「不登校の経験があったからこそ今の自分がある」と言います。

 

他には、「あの期間があったから、人の優しさが分かるようになった」「辛い時期に話を聴いてくれた先生やカウンセラーのように、私自身も将来そのような仕事に就きたいと思った」「不登校の時に、出会った人や好きなことが、現在している勉強や職業につながった」などの声を聴いています。

 

着実に回復段階を歩むために、親や学校の先生など周囲の大人は、その段階に応じた適切な対応をとる必要があります。そうでなかった場合、長期のひきこもりに発展する可能性もあります。

 

例えば、初期の段階で子供の状態を無視して、無理に適応指導教室へ通わせたり、フリースクールへ連れて行くことは絶対に避けなければなりません。そのような行動をとった場合、子供は余計に不安定になり、二次的な精神症状が出たり、さらに落ち込んでしまうことが見受けられます。

 

子供が、ある程度自発的に動き出すまでは、急がずに見守る姿勢が求められます。

 

もちろん、親御さんも人間です。頭で理解していても、つい言い過ぎたりすることもあるでしょう。だからこそ、親の会や、第三者などに辛い思いを聴いてもらう必要があります。もし、複数の前で話すことに強い抵抗があるなら、一対一で話を聴いてもらえる場所もあります。

 

ある親御さんからは、「良くなったかと思えば、また悪くなったりの繰り返しです。本当に回復しているのか不安です」の声を聞きます。

 

親御さんのお気持ちは理解できます。喜んだり失望したりの繰り返しが続くと、当然ながら不安や焦りが出てくるでしょう。そんな時は、『三歩前進して、二歩後退』のように、トータルで一歩ずつ前進していくようなイメージを持って子供に接してください。

 

親子それぞれが、急がずに着実に段階を歩んでいけば、近い将来の完全回復や社会的自立に、必ず達することができると信じております。

 

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不登校における親子の回復段階❷

2016/11/02

親御さんの場合は、どのような段階を経て回復していくのでしょうか?

 

❶朝に学校との連絡方法に悩む不安や、「子供が不登校になったら、どうしよう」と焦ります。毎朝、学校に行くか行かないかで、家庭の中がいつも緊張している状態です。

 

❷周囲からいろいろなことを言われたり、焦りや不安で揺れる段階です。夫婦間でも、不登校の子供に対する考え方に違いが生じてきます。親の会やカウンセリングなど、外部に相談して、辛い思いを聴いてもらう必要があります。

 

❸子供が安定してきたことで、相変わらず不安はあるものの、その不安をちょっと脇に置いて子供を見守れるようになります。学校以外の話題に関しては、普通に会話ができている状態です。その一方で、「こんなに家では元気でいるのに、どうして学校に行かないのだろう?」と心が揺れ、不安や焦りが出てきます。

 

❹子供が家以外の場所に行きたがっているようであれば、フリースクールや適応指導教室、家庭教師など、子供の興味に応じた居場所を探す段階です。まず親御さんだけでも見学に行って、その居場所の運営者や指導者と話をしておくことも有効です。子供が学校を休むことを恐れずに対応できるようになり、何か前進できたことがあれば、それを認めたり褒めたりできるようになってきます。

 

❺やりたいことをして生き生きと活動している子供を見ると、それがなんであっても嬉しく感じます。

 

続く。

不登校における親子の回復段階❶

2016/11/01

不登校になった後、段階を経て回復していくのは、子供だけでなく親御さんも同様です。

 

 

子供の場合、どのような段階を経て回復していくのでしょうか?

 

❶最初は学校を行きしぶり、朝起きられなくなったり、頭痛や腹痛などの身体症状が表れます。

 

❷次に、完全な不登校になり、昼夜逆転し、ゲーム・ネット依存で生活習慣を崩してしまいます。これは、「心の居場所」を強く求めて何かにすがりたくなる結果であり、回復する途上どうしても通る道です。

 

❸その後、ゲームやネットなど好きなことに依存して、エネルギーを徐々に回復していくと同時に時間をもて余すようになります。

 

❹さらに時間が経過して、エネルギーがたまってくると、第三者の人間に関わることが可能になります。フリースクールや家庭教師、ピアノや絵画などのお稽古ごと、アルバイトなど、家以外の場所に身を置くようになります。

 

❺最終的に、好きなことや、自分がしたいことを通して十分元気になると、学校に復帰・進学したり、仕事に復帰できるようになります。

 

 

では、親御さんの場合は、どのような段階を経ていくのでしょうか?

 

続く。

 

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