〝中間〟を目指す意味

〝中間〟を目指す意味❹

2018/08/26

過去の様々な事例から分かることは、家での「安心・安全」を担保する大切さです。

 

それは、「甘やかす」や「引きこもりを助長する」ということでは決してありません。

 

「安心・安全」の場所で彼らが少し元気になり、動き出しやすい状態になるのを優先します。

 

この段階では待つ必要があり、親御さんにとっては忍耐が必要な時期かもしれません。

 

ある親御さんの言葉です。

「どこに相談しても、いつも最後には『様子を見ましょう。待ちましょう』と言われる。いつまで様子を見れば良いのだろう。待てばいいのだろうか?」

 

今までにあちこちの親の会で、こんなふうに感じとっている多くの親御さんに出会いました。

 

確かに、「様子を見る。見守る。待つ。」というのは、ある時期においては非常に大切な部分だと思います。

 

一方で、「様子を見守りながら、その後はどうすれば良いのか?」と。

 

「もう少し具体的にアドバイスして欲しい。そうでないと、先が見えなくてしんどい。。」そのように思ってしまうのが自然でしょう。

 

個人差はありますが、多くの場合において、一定期間経過して少し元気になると、ふとした時に「家から一歩出よう」と思いやすくなります。

 

そんな時に、彼らにとってストレスが少なく安心して過ごせるような「学校と家の中間に位置する居場所」を具体的な選択肢として作りたかったのです。

 

ちょっと元気になった後、家から出る時のファーストステップとして「みんなの居場所へ行ったらどう?」と、料金的にも負担のないような選択肢を、親御さんが気軽に子どもに提案できれば良いなと。

 

いきなりフリースクールや塾、予備校、新しい学校は無理でも、まずはワンクッションをはさむ形で、気楽にみんなの居場所を訪れて頂きたいです。

 

みんなの居場所でさらに元気になった後は、それぞれの新しい居場所へ進みやすくなっていると信じております。

 

〝中間〟を目指す意味❸

2018/08/23

学校へ行けなくなった途端に、昼夜逆転が始まるケースを見かけます。

 

実際のところ、「昼間に家にいると居心地が悪い」という生徒の声があります。

 

例えば、家の電話が鳴っても電話を取ることをためらったり、運送会社の配達員への応対がストレスになることがあるようです。

 

また、夕方近くになると、家の前を通る帰宅途中の学生たちの声がとても嫌で、「いつも手で耳をふさいだり、慌ててイヤホンを耳に突っ込んだりしていた」という声も。

 

加えて、「ダラダラと怠けているようにしか見えない」という言葉を家族から言われると、家での居場所が本当になくなってしまい、非常に辛くなります。

 

そういう日常が繰り返されると、自然と昼夜逆転になってしまうのは、「自分の心を守るため」だと言えます。

 

つまり、夕方過ぎに起きて翌朝まで時間を過ごす方が、彼らにとって「安全・安心」だということです。

 

その本質を理解せずに、無理やり昼夜逆転をやめさせよう、改善させようと考えるのは、ほとんど意味がないですし、一時的に改善できたように見えても、元通りになってしまうケースが多いでしょう。

 

続く。

 

〝中間〟を目指す意味❷

2018/08/12

一方で、フリースクールはどうでしょうか。

 

フリースクールは、適応指導教室とは大きく異なります。第一に運営元が違いますし、活動内容が大きく異なります。また、学費がかかる点も大きな違いです。

 

ただ、フリースクールの中には、そこへ通うことで適応指導教室と同じように「出席扱い」になるスクールがあります。

 

それ自体は問題ないですし、むしろ出席扱いになることで、「フリースクールへ通わせたい」と思われる親御さんは少なくないかもしれません。

 

しかし、そこに注意するべき点があります。

 

これは、適応指導教室に通う生徒にも起こり得ることですが、親御さんや周囲の大人が「出席扱い」について強く意識し過ぎると、とても敏感な子どもは「結局、大事なのはそこなの?」と大人たちの本音を察知してしまいます。

 

生徒の立場で言えば、「不登校の現状から立ち直れる場所かどうかを(オレの目線)で考えてくれているのではなく、結局(あんたら大人は)出席扱いになる場所かどうかを重視しているのか」と。

 

そんな大人の損得勘定を感じた途端、とても敏感な子どもは傷ついてしまったり、気持ちが冷めてしまうことが多いです。

 

そういう意味では、フリースクールも〝学校寄り〟の居場所になりかねない危険性をはらんでいると言えるでしょう。

 

続く。

 

〝中間〟を目指す意味❶

2018/08/11

この1ヶ月余りにわたって、新聞各紙に「みんなの居場所」を取材し、掲載して頂きました。

 

その紙面上で、「学校と家の中間に居場所をつくりたかった」「目指すのは学校と家庭の『中間』だ」と書いて頂きました。

 

『中間』にこだわるのは、「子どもたちがストレスなく、安心して休める居場所にしたい」という考えが根本にあるからです。

 

一般的に、小中学生が学校に通えなくなった時、それぞれの市や町に適応指導教室がある場合は、まずはそこへ通うことを勧められます。

 

たとえ学校へ通えなくても、適応指導教室へ通うことができれば出席扱いになりますので、親御さんは「せめて適応指導教室へ通って欲しい」という気持ちになるでしょう。

 

また、適応指導教室の対応はそれぞれによって多少の違いはあれど、基本的には「いずれは学校へ復帰させる」という方針で、今まで存在してきたように思います。

 

そういう意味では、〝学校寄り〟の居場所です。

 

ここで注意しなければならないことは、周囲の大人の「学校へ戻そうとする意識」があまりに強すぎると、生徒は敏感にそれを感じ取り、大きな負担になってしまうという点です。

 

特に、適応指導教室へ通う生徒には、とても敏感な生徒が多いと思われます。

 

彼らにとって相応しい接し方をされなかったために、途中からそこにも通えなくなった事例は少なくないのではないでしょうか。

 

続く。

 

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