活動報告

100%自分の意思で決断すること❷

2016/11/16

以下は、不登校を経験した、ある男性の体験談です。

 

「小学生の時、勉強したくなかったけど塾に通っていました。本音を言うと、当時もっと友達と遊ぶ時間が欲しかったです」

 

その後、高校に進学し、文系と理系のどちらを選択しなければならない時期がありました。

 

「非常に迷いましたが、理系コースを選びました。本当は理系より文系に関心がありました。でも、周囲の意見を取り入れ、将来の就職におけるアドバンテージを考えて理系を選択しました」

 

彼は歴史に関心があり、本当は文系の学部を受験したい願望があったのですが、周囲には第一志望は薬学部と伝えていました。

 

「今ふりかえると、『周囲からどう思われるか?』ということばかりを優先して、薬学部を希望したように思います。『自分がどうしたいか?』で選択していませんでした」

 

結局、彼は高校2年の夏休み明けから学校に行けなくなりました。

 

「成績が良くなかったこともありましたが、将来の就職のためだけに、自分のしたいことを隠して勉強することが辛くなってしまったんです」

 

一方で、彼の親御さんは、「昔からその都度、進路は息子の意思で決めてきたはずです。今まで、彼の意思を尊重し応援してきました」と言われました。

 

彼にとってはどうだったでしょうか?

 

「小学生の頃、どうしても友達と遊びたくて塾に行きたくなかった日があったんです。それを父に伝えたら、すごい剣幕で怒鳴られ、怖い思いをしたことがありました。その日以降、周囲の顔色を見て、二度と怒鳴られないように生きてきました」

 

このあたりに、彼と親御さんとのズレがあるようです。実のところ、今までの彼の決断は、真の彼の意思ではなく、小学生の頃の体験をもとに周囲の空気を読んだうえでの決断でした。

 

彼は高校を中退した後、高校認定試験に合格し、現在は考古学を研究できる大学を目指し受験勉強中です。

 

続く。

 

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