活動報告

『いしかわ県民教育文化センター』の通信に掲載されました!❷

2016/08/01

実際のところ、学校に行けなくなった子供を早めに学校に戻そうと、無理をさせてしまうケースを多く見かけます。「早めに学校に戻さないと、行かない習慣がついてしまう。初期の対応が重要だ」と大人は考えてしまいます。子供の意思に反して無理に戻せば、疲れは回復せず余計に悪化します。そのため、短期的に学校へ復帰できたように見えても、再び休みがちになり、その後不登校の期間が長引くケースもあります。

 

最も大切なのは、学校への復帰を長期的に考える勇気を持つことです。例えば、中学1年で不登校になった場合、「中学の間は無理させないでおこう」という意識を持つ程度でちょうどいいと思います。親御さんが焦らず余裕を持って接すると、子供は安心できます。安心できれば、ゆっくり休むことができるので、復帰する方向へ向かいやすくなります。

 

17年間の家庭教師を通して、多くの不登校の生徒さんやその親御さんに会いました。そこで感じたことは、不登校で苦しんでいる子供は、不安で「今」をなんとか生きています。一方で、その親や周囲の大人は「将来」を考え、先回りしがちです。この両者の違いが、あらゆる場面で大きなズレを生む原因になっています。

 

したがって、「学校へ行かないと、将来大変よ」といくら不安をあおるような言い方をしても全く効果がなく、むしろ逆効果になる理由がここにあります。先回りせず、〝いまここ〟の子供の気持ちに寄り添い、安心のタネをまく姿勢こそが、長引く不登校・ひきこもりを減らす有効な手立てではないでしょうか?

 

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